物理学科へようこそ

学科長のメッセージ
  私たちの身の周りは現代科学の成果で満ち溢れています。それらは科学・技術という言葉さえ不要なほど私たちの生活の一部になっています。最近の若い人たちにとってなくてはならない通信手段である携帯電話一つとってもそうです。通信技術は一朝一夕で作り上げられたわけではありません。今から140年ほど前、マックスウエルは、電気が磁気を生み出し、磁気が電気を生み出すことに強くひかれ、美しい方程式を完成しました。この方程式は電波の存在を予言し、それは20数年のちヘルツによって発見されました。マックスウエルは、テレビや携帯電話を作ろうとしたわけではありません。しかし、マックスウエルの研究がなければ現在の通信技術はなかったと言えます。  このように物理学は未来の社会を支える基盤を提供するのです。現在、学んでいることや研究していることが、すぐに社会に役立つならば私たちの望外の喜びとするところです。 しかし、すぐに社会に役立つということはむしろ稀なのです。私たちは、10年、50年、100年先を見据えた学問と研究に挑戦し、また、その跡をたどってくる若い世代を育てようとしています。  物理学をすすめる原動力は人間の自然を知りたいという強い情熱、強い関心です。そこから、現代科学の最高峰である相対性理論も量子力学も誕生しました。自然を知りたいという意欲をもっている若いみなさんの熱意に、私たち新潟大学理学部物理学科の教員は全身で応える用意があります。

物理学科長 大野 義章